プルートとカロン

冥王星とその衛星カロン。冥王星の表面にはハートに見える模様があります。

2006年8月25日、冥王星が惑星から外されて矮小惑星に分類しなおされることになりました。

惑星から外れることでまるで冥王星が消滅したかのように報道するところもありましたけど、これからは「矮小惑星を代表する星」という位置付けになるようです。

この話題、最初はセレス・カロン・2003UB313の3つが新惑星として追加されることになるかもという話だったのに、たった1週間で急展開… と、素人の目には映りました。

でも実は冥王星って発見されて以後、研究が進むうちに、「これを惑星としておくのはどうだろう」って意見がけっこう出ていたみたいですね。

理由その1 思ったより小さいじゃん

発見当時、地球くらいかその半分の大きさがあるんじゃないかと言われていた冥王星ですが、観測技術の発達と研究が進んだ結果、現在では6分の1しかないことがわかっているそうです。

地球の直径を3センチくらいとすると、冥王星の直径は5ミリくらい。

発見されてから76年、あまりに度々修正されるため、しかもその度にどんどん小さくなっていくため(笑)「近いうちに冥王星は消えてなくなるんじゃないか」なんて冗談があったんだとか。

理由その2 軌道が傾いているのってどうよ

他の8つの惑星はみんな軌道が円形で同じ平面にあるんだけど、冥王星の軌道は楕円をしていて平面からも17度傾いているそうです。

そういえば「水金地火木土天海冥」の並びが一時、「水金地火木土天冥海」になってたことがありましたよね。

理由その3 ちょっと変わりすぎなんじゃない?

惑星を大きく分けると地球型惑星(岩石と金属を主体とする星:水星・金星・地球・火星)と木星型惑星(水素とヘリウムガスを主体とする星:水星・土星・天王星・海王星)に分類することができるんだけど、冥王星は氷が主体でどっちかというと彗星に近いんだとか。

こうしてみると冥王星って、成り立ちから、振る舞いから、惑星としては本当に微妙な立場にあったんですね…。

冥王星を発見したのはクライド・W・トンボという方でアメリカ人なんですが、このことから冥王星はアメリカが発見した惑星ってことになるんだそうで、今回の「新惑星を3つ加えましょうよ」という意見も、冥王星の惑星としての地位を確固たるものにしようというアメリカの思惑が働いていると早くから言われていたそうです。

結局「3つに増やそう案」は反対意見が続出し、いくつかの修正案が提出されて、最終的には「惑星は8個にします」ってことになりましたが、冥王星が惑星だった76年という歴史はけっこう重かったようですね。

「冥王星が地球など他の8個の天体とは違う種類である」ということについてはIAU(国際天文学連合)の会議に参加したほとんどの科学者の意見が一致していたのに、惑星に残すか否かという点でもめにもめ、採決という形で決着ということになりました。

ニュース映像で見たんですけど、ほんとに手をあげて決めてましたよ。投票とかじゃなくていいのかしら(汗)

あと、このニュースに関連することでおもしろかったのは、採決の前後、会場のロビーでNHKのインタビューに答える科学者の人たちでした。言葉の端々から「ほんとにもめてんだよ」っていうのがよくわかります。

ギリシャの天文学者

私は9個の惑星をそのまま
残すべきだと思います

アメリカの天文学者

太陽系の惑星数を8個とするのが
より現実的で科学的に正確なのです

オーストラリアの天文学者

今回の決定が一般の人に宇宙・太陽系を
知ってもらう機会になればと思う

(以上、「NHK News Watch 9」 24日放送から)

イギリスの天文学者

結果にはがっかりしています
太陽の周りを回り引力があれば
すべて惑星とした方がよかったと思う

(以上、「NHKニュース おはよう日本」 25日放送から)

科学者といっても本当にいろんな意見がありますね。特に「太陽の周りを回ってて引力があれば全部惑星にしちまえ」って、なんて大胆な (^^;

ともあれ冥王星を惑星に残す案は否決されたものの、約100人の科学者が賛成(会議出席者は約1000人)だったんだそうです。

冥王星の影響力は結構大きいってことかな。でも、発見されてからその大きさをどんどん小さく変えていった冥王星のこと(笑)今回は惑星から外されたけれど、近いうちにまた大化けして新たな展開があったりなんかして。

惑う星と書いて「惑星」と読む──

冥王星を見ていると、これぞ惑星って感じでおもしろいですね♪

写真はNASAから借りてきました。冥王星と一緒に写っている小さな星は冥王星の衛星と言われていたカロンです。

この二人(笑)見つめ合って回ってるんだそうですね。「タンゴを踊っているようだ」と表現する科学者もいるそうです。

【追記】2006.09.08

山梨県立科学館で、新分類に関する記事があったのでメモ。以下、「サイエンス玉手箱」この際、冥王星に詳しくなっちゃおう!!!(2006.08.29掲載)から。

dwarf planet(矮小惑星)…冥王星、セレス、2003UB313など

Small Solar System Bodies(系内小天体)…その他の小さな小惑星(アステロイド)、海王星以遠の天体、彗星、隕石など太陽系内の小天体 dwarf planet のうち最近発見が続いている海王星以遠の天体(Trans-Neptunian Objects)を、冥王星をその代表とする新しいクラスの天体と認める。

このクラスの天体の名称はIAUのプロセスに従って検討する。

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