お中元のイメージ

感謝の気持ちを贈るのがお中元なので、誰かに贈らなければいけないと決まっているわけではありません。

基本的に贈りたい人に贈ればOK。前もって挨拶状を送るか、贈る品にカードを添えます。

一般的には、離れて暮らしている両親、親戚、勤務先の上司や恩師に贈るケースが多いようです。

会社では社内間の贈答は禁止している会社もありますが、自営業やフリーで仕事をしている方は上手に取り入れて活用しているケースがあるようです。

何を贈る?

贈る物としての基本は、やはり喜ばれるものです。

相手の好みや家族構成を考慮して、少人数の家庭には量より質を重視したり、小さな子どものいる家庭では家族みんなで楽しめるものといった配慮が喜ばれます。定番であっても季節を感じるものが好まれるようです。

代表的な品には、それぞれそれなりのウンチクがあるようですよ。

そうめん・麺類

麺類の歴史で言うと、平安時代の初めごろに、宮中では七夕の節句に「索餅」(さくべい)と呼ばれる、小麦粉と米粉が七対三の割合で合わされた麺類を供物とするよう定めていたそうです。

「御湯殿上日記」などの女官の記録によると、この他に七夕の日の酒の肴として素麺と索餅が用いられたりしたようですが、江戸時代中期になると機織りの上達を願う七夕祭りの広がりとともに糸に見立てた素麺がクローズアップ。七夕に素麺を贈答する習慣もこの頃に生まれたようです。

ちなみに全国乾麵協同組合連合会では、索餅の故事から7月7日を乾麺の日と定めています。

果物(フルーツ)

果物の歴史は意外に古く、693年に持統天皇が五穀に加えて梨、栗等の栽培を諸国へ奨励した記録が残っています。アジアから入って来たかんきつ類を筆頭に、奈良、平安時代には多くの果実が海外から導入されました。

が、意外にも江戸時代は果樹の栽培はあまり発展していないのです。栽培される種類も限定されたものだったようです。本格的な果樹園が登場するのは明治に入ってからですが、戦争が激しくなると、それもエネルギー効率の高いイモやカボチャ畑に変わってしまいました。

言葉で見ても、もともと細かな区別がなかったようで、果実、菓子、間食、酒のつまみなど、すべてを含んで「果物」とか「菓子」と呼んでいたようです。

江戸時代に入って、人の手を加えて甘く作った物を限定して「菓子」と言うようになってから、果実類を区別するために上方では「くだもの」、江戸では「水菓子」と表すようになりました。

収穫後は味が落ちやすく、傷みやすいことが、あまり広まらなかった理由に挙げられるのかもしれませんが… 現在のように、さまざまな果物を進物で楽しむことができるのは、輸送の技術の向上と安定した時代のおかげなのかもしれませんね。

季節を感じさせてくれる贈り物として、現在は支持を集めています。

菓子(スイーツ)

一方で、果物と一緒に「菓子」と表されてきたお菓子は、神様やご先祖様へのお供え物として暮らしの中へ深く根ざすものとなっていったようです。

お正月の年始挨拶では年神様へのお供え物を持参した習慣が御年賀となり、ご先祖様をお迎えする盆と暮れにお供え物を親元や親せきに贈ったのがお中元、お歳暮に発展していきました。

特に宮中や公家に愛された京都の和菓子は「上菓子」と称され、御用聞きの際も勝手口ではなく玄関から入ることができる格式を誇っていたのだとか。「菓子匠」や「御菓子司」というのは、当時の格式をしのばせる名称です。

現在も、大切な先様に贈る贈り物として、老舗の和菓子が選ばれています。

ハム

日本にハムが広まったのは第1次世界大戦後のこと。ドイツ人捕虜や戦後来日したハムソーセージ技術者によるのだとか。食材としては比較的新しい品です。でも、贈答品として確固たる地位を占めていますよね。

贈答品としてのハムの由来ははっきりしないのですが、ドイツには「プレゼントかご」というものがあって、お祝い事や誕生日、病気見舞いなどで、ハムやソーセージの詰め合わせをかごに詰めて贈る習慣があるようです。

ドイツ・ハムの技術が伝わる中で、こうした贈答品としての意識も伝えられたのかもしれません。

ビール

明治時代、西洋文化と一緒に日本に伝わったビールはハイカラ族と呼ばれる人達に愛され、文明人の象徴にもなりました。

第二次世界大戦になると原料の入手が困難となり、戦費調達のために課せられたビール税が重くのしかかって生産量が激減してしまいますが、昭和30年代になると冷蔵庫の普及と所得倍増の波に乗ってビールの需要が大幅にアップ。贈答品としても注目を集める存在となります。

昭和30年前後から40年にかけては贈答品全般が大型のものが好まれ、ビールも大瓶が選ばれていたようですが、現在は扱いやすい缶ビールが主流。各地の地ビールやブランドものなど、付加価値のあるものに人気が集まっています。

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