絆創膏

雑煮に入れるお餅の形だとか、うどんのおつゆの濃さだとか、同じ物でも地域によって随分違うことってあるけれど、物の名前にも地域色って結構ありますよね。

マクドナルドのことを関西では「マクド」と呼んでるけど関東では「マック」と呼んでいるとか。バンドエイドも、「絆創膏」と呼ぶところがあったり、「カットバン」と呼ぶところがあったり、「サビオ」と呼ぶところがあったり。

SHINOblogさんとこでそんな楽しい話題(「ばんそうこう」でしょう 2006.09.23)があったんですが、この記事のコメントの中に地域色の強い言葉として「モータープール」が出てきたんですね。

関西ではあたりまえのようにある「モータープール」、調べてみると、よそではあまり言わないようです。

なんで??? 国語辞典にも載ってるのに!(笑)

そうなんです。モータープールって言葉は国語辞典に載ってるんですよ。それではうちにある辞典で調べてみましょう。

モータープール【motor pool】自動車をたくさん駐車させておく場所。駐車場。自動車置き場。
「和英併用 新修 広辞典 第4版」(集英社)

モータープール【motor pool】[名]駐車場。
「明鏡国語辞典」(大修館書店)

モーター【motor】
──プール【pool】駐車場。
「新明解国語辞典 第5版」(三省堂)

ほらね~。

そして実際、町を歩けばこんな感じであちこちにモータープールがあるんです。

モータープールの看板1

こんな高い所にもモータープール。

モータープールの看板2

月極とか、一時預かりとか、そんな感じで利用できる駐車場、それがモータープールです。プールといっても、別にモーターで水がグルグル回ってるわけじゃありませんよ~(でも、小さいころは私もそう思ってました・笑)

どうして駐車場のことをモータープールと言うようになったのか? はっきりしないんですけど、「戦後、進駐軍と一緒にこの言葉が入ってきたんじゃないか」なんてことがよく言われます。

motor pool[名](米)モータープール(軍隊・官庁などの自動車集中管理配車センター)
「SENIOR ENGULISH-JAPANESE DICTIONARY 新訂版」(旺文社)

英和辞典にもこんなふうに出てました。軍隊や官庁で使う言葉のようですね。

でも、進駐軍がいたのは関西だけではなかったはず。東京にだって、その他の地域にだって当時は進駐軍がいただろうし、進駐軍が使っていたモータープールもあったはずです。モータープールの起源=進駐軍なのだとしたら、どうしてまた関西にだけモータープールという言葉が残って、どうしてそれが駐車場に使われるようになったりしたんでしょう。謎。

ただ、現在でもこんな駐車場があったりするわけで…。

貸ガレージの看板

こちらはモータープールのみならず「貸ガレージ」とも主張しております。

でも、ガレージって車庫のことですよね。車庫といえば、電車や自動車といった車両を入れておく建物のこと。ここ、普通に青空駐車場なんですけど。もしかして「貸」の文字には「仮」の意味があったりする… のか?(なわけはない)

こんな感じで最初に「モータープール」と名乗った駐車場も、感覚優先で「モータープール」と名乗りはじめたのかもしれませんね (^^;

でも「SENIOR ENGULISH-JAPANESE DICTONARY」には「水溜り、池」「(水泳用の)プール」を表す poolのほかに、「(トランプなどの)総掛け金」「企業者合同」「(共通目的のための)合同資金」「(共有の)施設、置き場」「人のたまり」「玉突きの一種」といったことを表す poolも紹介してました。

後者は前者と同じ名詞だけど、複数形の「S」はつかないって書いてありますよ。

案外モータープールも、最初から「(共有の)施設、置き場」といった意味をちゃんと理解したうえで和製に作られた言葉… だったのかもしれませんね、もしかすると。辞書を眺めているとそんな気がしてくるのでした。


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