乳幼児期の皮膚は薄くてデリケート。その分、紫外線の影響も受けやすいという特徴があります。
でも大人のUVケアと違って、子どもの成長に紫外線は大切です。日に当たることで、骨の成長に必要なビタミンDが作られるからです。
日差しを避けすぎると、骨が変形する「くる病」の心配もあります。
特にアレルギーなどで極端に食事制限をしていたり、偏食が強い子は注意が必要です。
いろいろ心配はありますが、でも子どもだからこそ太陽のメリットはしっかり受けて、元気に成長するためにも体を動かして運動してほしいですよね。
そんな子どものUVケアは、大切な「遊び」の時間を邪魔しない対策が大切です。
避けるべき紫外線を見極める
地上に降り注ぐ太陽の光の中で、紫外線は大体5~6%程度です。紫外線にはUV-AとUV-Bがあり、約90%がUV-A、約10%がUV-Bです。
光老化に関係すると言われるUV-Aが気になる場合はその対策も必要ですが、アレルギーや皮膚の病気、目の病気などで注意すべきとされている紫外線は主に日焼けに関わるUV-Bです。
とはいえ、色素細胞がメラニンを作る際にビタミンDが生成されることから、UV-Bを完全に避けてしまうことには異論もあります。
健康なお肌なら自らを守るバリア機能があること、そして軽いダメージなら新陳代謝で防御できていますもんね。
ただ、8~9歳くらいまでの子どもの皮膚は皮脂分泌が十分ではないので、十分な紫外線対策が必要となります。
海外では生涯の半分の量の紫外線を18歳までに浴びているという調査結果もあるので、この年齢までの紫外線対策は重要と見られています。
紫外線が多い場所はどこ? 時間はいつ?
UV-AもUV-Bも正午前後(10時~14時)ごろがもっとも強く、1日の紫外線量の50~60%を占めると言われているので、この時間帯の外出を避けるだけで、かなりの紫外線対策になると言えます。
年間でUV-Bが多くなるのは3~4月ごろから9月くらい。時間帯は正午前後(10~14時)の紫外線量が多くなると言われています。
もちろん、地域、季節によってかなり差があるので気象庁のUVインデックス情報を参考にして、赤ちゃんの場合はUVインデックス3以上の時間帯を避けるようにします。
特に春先はお肌がまだ冬に慣れている状態で、メラニンの量も少ないので日焼けには要注意。
快晴の日は紫外線量も多いですが、雲の間から日差しがある場合、散乱したUV-Bが快晴のときより数十%増えている場合があります。
「曇っているから」と安心してしまうと、思わぬ紫外線にさらされることがあるので注意が必要です。
おでかけするときは、紫外線の性質に配慮します。水蒸気や塵などがないきれいな空気では、紫外線量が減らないまま地上に届くので、かえって紫外線が多い場所ということになるのです。
代表となるのは山です。紫外線を吸収したり散乱してくれる大気も平地に比べると薄くなるので紫外線の影響をダイレクトに受けやすく、気象庁によると1000m登ると紫外線量は10~20%増えると紹介されています。
また、紫外線は反射する性質があります。
草地や土なら10%以下ですが、水面で10~20%、アスファルトで10%、砂浜だと10~25%の反射率があるので、水辺やプール、海などで遊ぶ場合は総合的な紫外線対策が必要になります。
では、具体的にどんな対策があるのでしょう? 次の記事でまとめてみました。