紫外線の影響 ~ 急激なものが日焼け

日差しを浴びる植物

真っ黒に焼けた小麦色の肌。日本語では単に「日焼け」としか言いませんが、WHOの紫外線ガイドブックには、「サンバーン」と「サンタン」という2種類の日焼けの状態が解説されています。

どうして分かれてるんでしょう? ちょっと調べてみることにしました。

ちなみに、こうした日焼けはUV-Aも原因となりますが、UV-Bが主な原因なんですよ。








「サンバーン」は、赤い日焼け

サンバーンのイメージ紫外線を浴びて、最初に現れるのが「サンバーン」(sunburn)です。

皮膚の血液量が増えて、皮膚が赤くなった状態で、これを紅斑(こうはん)といいます。炎症が起こっているので、ヒリヒリとした痛みがあります。

紫外線に当たって数時間後に現れ、ピークは8~24時間くらい。2~3日後には消えてしまいます。

でも、日に当たり過ぎたときは、水ぶくれになって皮がむけてしまいます。

【対処】
なるべく早く冷水タオルなどで冷やして火照りを冷まします。赤みがひいてきたら、炎症を抑えるための鎮静消炎剤の軟膏を塗ります。

日焼けしたお肌は水分が失われやすくなっているので、化粧水などで保湿をします。

赤く腫れたり、痛みがひかなかったり、水ぶくれができているなど日焼けの症状が重い場合は、すぐに皮膚科や内科を受診します。子どもの場合は、皮膚科や小児科へ。

日焼けの程度に合わせた軟膏の他、飲み薬などを処方してもらうことができます。

サンタン(黒い日焼け)

サンタンのイメージサンバーンが消えた数日後に現れて、数週間から数カ月続くのが「サンタン」(suntan)です。

紫外線に刺激された色素細胞は、紫外線を吸収するメラニン(色素)をたくさんつくるため、お肌に色素沈着が起きて黒くなった状態です。

皮膚がむけてくることがありますが、これは紫外線のダメージで死んでしまった表皮細胞を取り除くための現象なんですよ。

むけたところを補おうと未熟な表皮細胞が押し上げられて、正常なターンオーバーが崩れている状態でもあります。

皮膚がむけてきたお肌に対しては、刺激になることは極力避けるようにするのがおすすめです。

【対処】
皮膚がめくれてくることがありますが、無理に剥がさないように自然に任せます。

気になる人は日焼け用の軟膏などでお肌のお手入れをします。でもこのとき、お肌を刺激しないように要注意。

外出する際は、ダメージを受けたお肌がさらに日焼けしてしまわないように、しっかりした日焼け対策をするのがおすすめです。

日焼けによる色素沈着は新陳代謝で垢となってはがれ落ちていくので、徐々に薄くなってやがて消えていきます。

こうしてみると、サンバーンは「紫外線によるお肌のダメージ」の反応、そしてサンタンは「色素沈着」が大きな変化になります。

メラニン色素は紫外線を吸収してくれるので、サンタンによる色素沈着は「紫外線を防ぐために発揮する体の自然な防衛反応」と言えます。

だからWHOでは「日焼け」と一言でいっても大きく2つに分けているんですね。

ただ残念ながら、色素沈着が紫外線を防御してくれる効果はそれほど大きなものではありません。なのでWHOでは、肌に受けるダメージのほうを重視して、「注意信号と考えるべき」としているわけです。

日焼けのしかたはお肌のタイプによっても違うのですが、「フィッツパトリック分類」が参考になりますよ。

お肌のタイプによる日焼けのしかた

水泳のイメージ「色白の人は、日に焼けると真っ赤になって大変」とか、「日に焼けると、すぐに黒くなっちゃう」など、肌の焼け方でもお悩みを抱えている人は多いですよね。

皮膚のタイプによって、日焼けのしかたは変わります。

「フィッツパトリック分類」では、紫外線の反応の仕方によって6種類に分類されています。

お肌の分類 紫外線感受性 赤み(サンバーン) 褐色変化(サンタン)
スキンタイプ1 高度過敏 常に起きる 絶対に起きない
スキンタイプ2 高度過敏 常に起きる 時々起きる
スキンタイプ3 中等度過敏 起きる 起きる
スキンタイプ4 中等度過敏 時々起きる 常に起きる
スキンタイプ5 軽度過敏 まれに起きる 判別不可
スキンタイプ6 非過敏 絶対に起きない 判別不可

この分類でいうと、日本人で一番多いのはスキンタイプ2~4にあたります。

スキンタイプ1、2に属する人は色白の人が多く、メラニンを作る能力が低いので、紫外線の影響で光老化を起こしやすく、ひどい日焼けを繰り返すと皮膚がんになるリスクが高くなると言われています。

アメリカ食品医薬品局(FDA)によると、夏の真昼に相当する太陽光を浴びて皮膚が赤くなる時間を調べたところ、スキンタイプ1の人では14分程度だったのに比べ、スキンタイプ5や6の人は、その7倍の時間がかかったそうです。

赤くなったり、黒くなったりするだけでなく、お肌のタイプによっては意外と早く日に焼けてしまうんですね。この辺は、日焼け対策でも注意しておきたいポイントです。

でも、スキンタイプ1、2の色白の人が大きく影響を受けるという「光老化」って何でしょう? 次のページにまとめてみました。

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