紫外線には、波長の長いほうからUV-A、UV-B、UV-Cの3種類があります。
「紫外線には種類があるらしいけど、どう違うの?」でも紹介したように、3種類全てが地上に降り注ぐわけではありません。
多くのUV-Bと、UV-Cの全ては、オゾン層に吸収されてしまいます。
さらに空気の分子やエアロゾル(大気中に浮かぶ液体や固体の微粒子)にぶつかると散乱して、地上に届くころにはかなり減ってしまいます。
なので、雲ひとつない快晴の日の紫外線を100%とすると、UVインデックスの相対的な割合はお天気によってこんな感じで変わります。
天気毎のUVインデックスの割合 | 快晴時 | 100% |
---|---|
晴れ | 約90% |
曇り | 約60% |
雨 | 約30% |
※快晴時のUVインデックスを100%とした場合 (参考)雲と紫外線/気象庁
こうしてみると、やっぱり晴れてるほうが日焼けしそうですよね。
でもね、一言で「曇り」といっても、雲の状態にもいろいろあります。
どんよりと曇っている場合は、表のように「紫外線は大体60%ぐらい」と思っておけばいいようですが、雲が薄いと約80~90%という場合もあるようです。こうなると、晴れた日とあまり変わりありません(汗)
しかも、雲の間から太陽が出ているケースは要注意。雲からの散乱光がプラスαされるため、快晴のときより紫外線が多く観測されることもあるのです!
1996年7月に発表された「Effects of clouds and haze on UV-B radiation」(J.G.エストゥピニャン&S.ラマン)の論文によると、雲の隙間から太陽がのぞいている時、晴天時に比べると、30%近く紫外線(UV-B)が強かったという観測結果が報告されています。
「曇った日のほうが日焼けする」といううわさがありますが、空の条件によっては本当に曇りのほうが日焼けしてしまうということがあるみたいですね。
ネットでは「都市伝説」とする向きもありますが、空模様によっては無視するわけにはいかないケースです。
紫外線のことを考えるなら、外にいる時間にも注意
また、紫外線のことを考えるなら、空模様の他に、外にいる時間にも気を配る必要があります。
紫外線は、オゾン層や雲の影響で吸収されたり散乱して、地上に届く際には減っているのですが、こうした影響は、紫外線の中でも波長の短い「UV-B」に多く起こります。
残念ながら、紫外線の約9割を占める「UV-A」は、こうした影響をあまり受けません。
曇天でも約60%が地上に達しているのは、実はUV-Aだったりするのです。
UV-Bは主にサンバーンやサンタンといった日焼けの原因になりますが、UV-Aはそうした急激な影響はあまりなく、蓄積的なダメージを与える紫外線です。
つまり曇った日は、自分が今、日焼けしてることに気が付かないうちに、「うっかり」紫外線の影響を受けてしまっていることがあるんですね。
どんより曇った天候で紫外線量が少なめであっても、2時間も外にいれば、晴れた日に1時間外にいるのと同じ量の紫外線を浴びていることになります。
もちろん、その分、肌のダメージが蓄積してしまうというわけです。
建物の中にいれば、屋外に比べると紫外線の量も1割以下になると言われていますが、窓際のようにUV-Aが透過してくる場所に長い時間いる場合は、やはり日焼けしてしまいます。
なかなか厄介な紫外線ですが、1日の時間帯でもけっこう変化があるので対策はありますよ。こちらの記事も参考にしてみてくださいね。