UVケアには日焼け止めクリームを塗るのが有効というのはわかっているけれど、小さな子どもだと日焼け止めを使うこと自体が気になるし、お母さん自身は日焼け止めを塗る時間がとれなかったりするので大変ですよね。
日焼け対策には、日焼け止めのように「塗る対策」もありますが、UV対策の機能がしっかりした衣類を利用して「覆う対策」を活用するのもおすすめですよ。
衣類で紫外線対策する場合のポイント
紫外線のうち、UV-Bは服を通り抜けることはありませんが、UV-Aは紫外線のカット率が低い服だと通り抜けてしまう恐れがあります。
UVカット加工が施されていない場合、服が紫外線を遮蔽(しゃへい)してくれる目安には以下の3つのポイントがあります。
生地のUV遮蔽効果の目安 | |
---|---|
編み方 | 目が詰まっている > 目が粗い |
色 | 黒い生地 > 白、ベージュ、グレーなど淡色系の生地 |
生地の厚み | 厚みのある生地 > 伸縮性がある生地・薄い生地・透ける生地 |
このように、紫外線の遮蔽効果は「繊維の色」や「密度」に影響されるので、「目が粗い」ものより「目が詰まっている」もののほうが遮蔽効果があります。
シャツ以外にも、帽子や夏用手袋(アームカバー)、七分丈や襟があるシャツ、長ズボンなどを併用して肌の露出を控えれば、日焼け止めの使い方も必要最小限に抑えることができます。
素材を選ぶのもポイントで、「ポリエステル」や「綿」は紫外線を通しにくいと言われています。綿とポリエステルの混紡も有効ですよ。
UVカット効果のある衣類を利用する
一般的な衣類でも、上記のように工夫しだいで紫外線対策をすることができます。
でも、紫外線遮蔽(UVカット)加工された機能性衣類を利用すれば、もっと手軽に効果をあげることができます。
紫外線を吸収、もしくは反射することによって、紫外線を遮断する加工のことです。
一般に使用される紫外線遮断物質には、「紫外線散乱剤」(カーボン、セラミック、チタンなどの無機物)や、「紫外線吸収剤」(主に有機物)の2種類があります。
加工方法は、繊維を製造する際に繊維内部に紫外線遮蔽物質(主に無機物)を練り込む方法と、生地に紫外線遮蔽物質(無機物や有機物がある)を付着させる方法がありますが、付着させる方法は洗濯によって効果が減っていくというデメリットがあります。
ただ、横浜の消費生活総合センターの調査によると、「紫外線対策」と表示されているだけの商品には、具体的な数字を表示しているものに比べて効果が劣るものがあったのだとか。
効果を把握するためにも、具体的な数字を表示しているものを選ぶのがおすすめです。
衣類に表示されている数字には、日本独自の規格である「紫外線遮蔽率」と世界的基準となる「UPF評価」があります。
UPFって何?
「UPF」というのは、「紫外線保護指数」の略で、英語ではウルトラバイオレット・プロテクション・ファクター(UltraViolet Protection Factor)といいます。
オーストラリアやニュージーランドで定められた世界的基準値で、日光の有害な紫外線が生地を通過する分数量を示しています。
もちろん、紫外線には「A波」、「B波」があって、波長の長短によって皮膚への影響が大きく違ってくるわけですが、各波長の透過率に所定の係数をかけてUPFが算出されます。
表記は数値で表示され、例えば「UPF25」と表示されていた場合、紫外線の25分の1、つまり4%が生地を通過することを示しています。
これは、何も肌に着けていない状態でできた日焼けと同じ程度まで日焼けするまで、「UPF25」と評価されている衣類の場合、約25倍の時間がかかるということがわかるわけです。
このように、UPFはその衣類を利用することで、紫外線の影響がどれくらいあるのか、その度合いがよりはっきりとわかる基準評価と言えるようです。
ただし、お肌のタイプによって日焼けする時間は変わるので、この点は要注意。
(参考)お肌のタイプによる日焼けのしかた | 紫外線の影響 ~ 急激なものが日焼け
15以上で防御効果があり、50+が最高値。評価は3段階に分かれます。
UVカット率と並べてみると、こんな感じになります。
UPFの評価基準 | UVカット率 | 級分類 |
---|---|---|
UPF40~50+ | UVカット率95%以上 | Excellent protection:優秀 |
UPF25~39 | UVカット率90%以上 | Very Good protection:優良 |
UPF15~24 | UVカット率85%以上 | Good protection:良 |
「紫外線遮蔽率」(UVカット率)は、日本独自の規格
衣類に関して、実は日本では統一された基準はありません(汗)
「紫外線遮蔽率」(UVカット率)が表記されているUVアイテムが多いのですが、これが統一された基準というわけではないみたいです。
また、海外ではこうした数字を採用しているわけではないので、日本独自の規格といえます。ただ、近年では海外メーカーのものを中心に、UPF評価を表記をしている商品も登場しているので、実際にお買い物する場合、両方の表記が混在している状態です。
何だかややこしいですが、どちらの基準を採用しているにしても、きちんと数字を明記しているものを選びたいですよね。
ちなみに「紫外線遮蔽率」は、波長280~400nm(ナノメートル)の紫外線をどれだけ遮蔽しているのかを%で示したもので、日光の有害な紫外線をどの程度遮蔽できるのかが表されています。
(測定波長領域における平均値として算出)
使う際の目安としては、「紫外線予報 弱」のときは、「紫外線遮蔽率80%以上」(UPF15以上)のものを。「紫外線予報 やや強」のときは、「紫外線遮蔽率90%以上」(UPF25以上)のものを選ぶのがいいみたいです。
(参考)UVインデックス(UV指数)って何?どんな対策をすればいいの?
次のページでは、髪の毛や頭皮の紫外線対策をまとめてみました。こちらも参考にしてみてくださいね。