泉の広場の噴水が「赤」「緑」「黄」とライトアップされていると前の記事で書いていたのですが、記事の中で「黄」と言ってたこれ、でもこれ、どうも「黄」じゃなくて「白」が正解みたいです。
というのも、クリスマスカラーというものがあって、代表的な色が「赤」「緑」「白」なのです。で、これにはそれぞれシンボルがあるんですね。
クリスマスレッド ~赤~
The Apple / digicla
「赤」はクリスマス・レッドとも呼ばれます。赤は命の輝きを表し、クリスマスデコレーションで登場する赤いリンゴは豊穣を象徴するシンボルでもあります。
日本ではなんでもない果物ですが、西洋では神話世界にもたびたび登場する重要な果実で、再生と不老を表します。
キリスト教では「赤」はキリスト受難で流された血の色とされていて、一見、リンゴと縁がないように見えますが、「キリストが生まれたときに次々とリンゴが実を結んだ」という言い伝えがあるそうで、リンゴもちゃんとモチーフに使われています。
クリスマスグリーン ~緑~
Abies procera (Noble Fir) – Rattlesnake Traverse / brewbooks
「緑」はクリスマス・グリーンとも呼ばれ、モミノキやヒイラギといった常緑樹がシンボルになっています。
常緑樹は冬の寒さに枯れることなく青々とした葉をつけているところから、古くから生命力を表すものとして永遠の繁栄を願うシンボルとされてきました。
また、モミノキはどの枝も大きな枝から直角にのびるので、先端近くの枝は十字に見えることがあります。キリスト教ではその様子を十字架に見立て、ツリーにふさわしい神聖な木としているのです。
ちなみにヒイラギは、そのトゲがキリスト受難のときにかぶせられた茨の冠を表し、赤い実はそのときに流されたキリストの血を表すとされています。
クリスマスホワイト ~白~
雪景色 / wanko
そして、「白」はクリスマス・ホワイト。ただこの色、雪の色を表すと言われているようなのですが、ほんとのところどうなのかはよくわかりませんでした。
というのも、他の色は「リンゴ」や「モミノキ」といった具体的なシンボルがあって、どちらも生命や繁栄を意味しているようなのに、白が表すものが雪ってなんか変じゃありません? 大体、春になると消えちゃうから「生命」って感じでもないし…。「春を待ちわびる気持ちを表す」と解説しているページもありましたが、そういうものなんでしょうか。
きちんと調べると古くから伝わるシンボルが何かあるのかもしれませんけど、今回はちょっと調べきれませんでした。ご存じの方がいらっしゃったらコメントいただけると幸いです。
ともあれ、こんなふうに「赤」「緑」「白」がクリスマスカラーってことは、やっぱり噴水の色は黄色じゃなくて白だったんですね。
…ちぇ。
いえいえ、もしかすると「黄」というのは、ちょっとだけ惜しかったのかもしれませんよ。クリスマスカラーには「金色」だってあるんです。そう、「ベツレヘムの星」のゴールドです。
クリスマスゴールド ~金~
yellow star of bethlehem / roger.karlsson
クリスマスツリーの上で輝いている大きな星がありますよね、あれがベツレヘムの星です。
金、または銀で表現されるこの星は、キリストが生まれたときに東方の三博士に救世主の降誕を知らせた奇跡であると伝えられています。
おまけ・クリスマスパープル ~紫~
ちなみに、「紫」もクリスマスカラーに数えられることがあるんですよ。
Advent / KitAy
日本ではあまり馴染みがありませんが、西欧でAdvent(待降節、降臨節)と呼ぶ風習があるのです。クリスマスまでの数週間を毎週1本ずつロウソクに火をともしていってクリスマスをお祝いするんです。
キリストの降誕を待ち望む行事として主にドイツに伝わるものなのですが、このときに使われるロウソクが紫色をしているんですね。この紫はクリスマスの典礼色にならった色で、贖罪や待望といった意味があるそうです。
こうしてみると、「赤」「緑」は古くからある風習やシンボルの色彩が強く、「金」「紫」は宗教色が強く出た色と言えるようですね。
あれ? じゃあもしかして、「白」も宗教色を持った色なんでしょうか? ということでキリスト教ではどんな意味があるのか調べてみると… ありました。「白」は光、喜び、勝利、純潔を表すシンボルで、聖母や聖人に捧げられる色として重要な色であるようです。
単純な3色と思っていたけれど、古代の思想からキリスト教の価値観まで絡んできて、クリスマスカラーってけっこう複雑な色彩背景を持っているのかもしれません。
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泉の広場の噴水もクリスマス(追記あり) 10/12/07