七夕って、何?なんか大切なことでもあるの? と、聞かれた場合の考察

七夕の笹飾り

Google+で、仙台七夕の七夕飾りの写真に海外の人がコメントを書き込んでいるのを見かけました。よくわからないんだけど、文面の印象から察するに、日本の七夕がどういうものなのか意味とか知りたい様子(たぶん)

というわけで、もうすぐ七夕でいい機会なので、ちょっと調べてみることにしました。

大阪天満宮の天神祭は七夕祭りと同じ時期にあった

七夕祭りといえば、2014年から大阪天満宮がちょっと変わったんですよ。

天神祭の幕開けを7月7日の七夕に位置付けて、本宮の7月25日までを「天神祭月間」にしようという方針になりました。

それまでは、7月24日から宵宮が始まっていたんですよね。

7月7日には「天満天神七夕祭」が開催されていて、この七夕祭りと天神祭をくっつけちゃったわけです。

でも、これはそんなに奇抜な話ではなく、元々室町時代には七夕に天神祭が執り行われていたそうですよ。戦国時代の混乱もあって、七夕祭りと天神祭がバラバラになったようです。

その後、七夕祭りのほうが廃れていたのですが、平成7年7月7日に「天満天神七夕祭」として復活しました。

約400年ぶりのことだったのですが、天満宮の創始以前から、七夕祭りは世の中の罪や穢れを祓う行事として行われていたそうです。

今では願い事をするイベント 昔は災いを祓うための清めの行事

調べてみると、「七夕」というのは、時代によってずいぶんその性格が変わってきているようです。

元々は旧暦の7月6日の夜から翌朝にかけて行う行事で、15日に行われる先祖の霊を迎えるために行われていた「祖霊祭り」と、ひと繋がりのお祭りでした。

祖霊祭りの前7日間は神を迎えるための物忌みの期間なので、7月7日はそのための穢れや災厄を祓う禊ぎの行事を行う日というわけですね。

また、「たなばた」は、神事の「棚機」(たなばた)が基になっているという話もあるようです。

「棚機」というのは、棚機津女(たなばたつめ)と呼ばれる乙女が着物を織って棚に備え、幡を立てて秋の豊穣を願い、村の穢れを祓う行事です。

今に伝わる七夕は、中国の乞巧奠(きこうでん)にも大きく影響を受けていて、星まつりの性格を持っています。

姫路市東部に伝わる七夕祭り

お盆の行事と密接なかかわりがあった昔の七夕ですが、姫路市東部に伝わる七夕を見ると、それがよく伝わってきます。

2000年7月に読売新聞播磨版に掲載された話によると、七夕は月遅れの8月6日の夜から翌7日の朝にかけて行われる行事だったみたいですよ。

その際、七夕の飾りを作るのですが、これがちょっと変わっています。

・2本の笹を立てて、その間を細い竹でつなぎ、七夕人形や他の様々な飾りを吊るす。
・飾りの下には縁台が置かれ、お神酒、季節の果物、きゅうりで作った馬などが供えられる。

そして、盆提灯や(絵柄はお盆と別)、「天の川」、「星まつり」と書かれた提灯が飾られ、子どもが生まれた家では子供の名前を書いた提灯も出されたのだとか。

七夕の笹飾りと、お盆の飾りが交り合ったような、不思議な飾りが使われていたみたいです。

大切なポイントは「笹」、「人型」、「川へ流す」

川へ流す

今では勝手に川に流したりしちゃいけませんが(汗)

昔は七夕飾りを川へ流していました。姫路の七夕飾りは7日の朝に壊して川に流していたそうです。天神祭も神鉾を川へ流します。

穢れを祓うためのお祭りだから、これは外せない重要なポイントと言えそうです。

人型

そして、人型です。七夕と人型ってちょっと想像がつきませんが、古い形式の七夕では、穢れを祓うために人型が重要ポイントになるみたいです。

姫路の七夕に出てくる「七夕人形」というのは、長野県松本市では現役で飾られているもののようで、ネットで検索するといろんな人型の画像を見つけることができます。

最近のものは織姫、彦星という感じでかわいいのですが、古いタイプのものはけっこう怖い雰囲気のものもあったみたいですよ。人型ですもんね。

子どもの着物を着せて穢れを移す… というパターンもあったようで、その場合はかなり大きな七夕人形になったみたいです。しかも「吊るして飾る」のが基本のようです。

やっぱり怖いな(汗)

でも、実は天神祭にも型代(かたしろ)という人型が使われます。

人々の穢れを移した型代を、蒲生に巻いて神鉾と一緒に川へ流します。2009年からは水溶性の素材が使われるようになって、直接川へ流されるようになりました。

七夕飾りを飾るための支えでしょ? と思ったら、違うようです(汗)

笹は古くから神事に深くかかわる植物で、岩戸に隠れた天照大御神(あまてらすおおみかみ)に出てきてもらうために、舞いを舞った天鈿女命(あめのうずめのみこと)が手にしていたのも笹の葉でした。

十日戎でも福笹が使われるし、地鎮祭では笹の付いた青竹を四隅に立てて、さらに四方をしめ縄で囲んで不浄を防ぎます。

そういえば、門松にも竹を使いますよね(松竹梅)

というわけで、笹は神の依り代となる神聖なものとされてきた植物で、さまざまな神事に使われてきたことがわかります。

こうして見ると、姫路の七夕飾りも、「飾り」というより清浄な場所を宣言するための笹のように見えてきます。

そんなわけで、現在の七夕は日本や中国のいろんなお祭りの要素が入っているうえに、「川へ流す」という大事なポイントが環境問題で行われなくなったので、かなりわかりにくくなってしまっているようです。

ともあれ、「穢れを祓う」ということがとても大切なことになるようですね。

海外の人に説明するとしたら、「七夕は笹と七夕飾りを使った、人々の災いを祓うための大切なお祭りだ」ということになるでしょうか。

英語でなんて言うのかは知りませんけど(汗)

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