今日は七夕、朝から雨降りですね。けさは@niftyのトレンドにも、「七夕に降る雨」というキーワードが上位に入ってきていました。
七夕の夜に降る雨を、「催涙雨」とか「酒涙雨」と書いて「さいるいう」と言うそうです。
七夕の雨は涙雨
七夕に降る雨は、一年に一度再開するという牽牛と織姫が、その逢瀬が叶わずに涙を流している雨と言われていたり、再開が叶ったことを喜んでいる雨だと言われていたり、再び別れる際に惜別の思いで流す涙だと言われたりするようです。
なんか、いろいろあるんですね。いい意味も悪い意味もあるとこが、夜のクモに近いものを感じるのですが…(汗)
さらには、七夕の前日に降る雨のことを「洗車雨(せんしゃう)」なんて言うこともあるようで、彦星が織姫に会うために、乗っていく牛車を洗ってるからだなんていうのもあるようです。
洗車して雨になるって… ちょっと念入りに洗い過ぎですよね、それ。(汗)←おい
古い行事から見た七夕の場合
「七夕って、何?」にも書いたように「禊」の行事でもあった七夕ですが、日本に古くから伝わる風物詩で言えば6月は一年のちょうど中間。
12月の晦日に対して6月の晦日ととらえる考え方があって、12月の「年越しの祓い」に対して「夏越しの祓い」という行事が行われます。
そうした対応で見てみると、1月7日には七草の節句があり、7月7日には笹の節句の七夕があるんですね。
そういえば、この2つの節句、他の節句は花だけど、2つは葉っぱの節句なんですよ。意外と関連あるのかも。
1月7日 七草の節句、若菜の節句
3月3日 桃の節句
5月5日 菖蒲の節句、あやめの節句
7月7日 笹の節句
9月9日 菊の節句、栗の節句
ともあれ、「祓い」の起源は神話時代にまで遡るほどで、黄泉の国から帰ってきた伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、その穢れを祓うために海で禊をしたという「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓い」につながるとされるほど古い行事です。
そのせいか、雨や水に関する伝承も多く、水で体を清めて穢れを祓う行事をはじめ多数の事例があるようです。
更新は2010年で止まっちゃってるみたいですけど(汗)1962年(昭和37)から1964年(昭和39)にかけて全国1342カ所で行われた「民俗資料緊急調査」を基にしたホームページがあって、いろんな風習が紹介されてておもしろいですよ。
雨降りに関する言われもあるけど、いい意味と悪い意味がある(汗)
この中から水に関するものを書き出してみると、こんな感じ。全部で20位まで挙げられている中、8つの事例がランクインしてるって、けっこうな数ですよね。
(秋田県琴浜村鳥居長根、、茨城県波崎町明神、山口県上関町白井田など66カ所)
第6位 水浴びする、7回水浴びする
(青森県鶴田町胡桃館、青森県黒石市安入、宮城県七ヶ浜町湊浜など56カ所)
第9位 女は沼や川で髪を洗う
(福島県福島市鎌田、茨城県牛久町城中、埼玉県越生町小杉など21カ所)
第10位 ネブタ祭り、ネブタ流しをする、ネムの葉などで目をこする
(青森県今別町袰月、青森県柏村桑野木田、青森県浪岡町王余魚沢など18カ所)
第11位 牛を川や池で洗う、泳がせる
(新潟県両津市河崎、大阪府岸和田市塔原、大阪府貝塚市蕎原など17カ所)
第12位 物を洗うとよく落ちる
(茨城県古河市中田、長野県清内路村、神奈川県小田原市早川など14カ所)
第13位 雨が降ると良い、雨が降ると悪い
(いい例は、栃木県鹿沼市樅山、栃木県川上、東京都世田谷区粕谷など。悪い例は、兵庫県社町上鴨川、奈良県安堵村岡崎、奈良県十津川村谷垣内など13カ所)
第17位 七夕船を造り、川(海)に流す
(新潟県粟島浦村、新潟県神林村宿田、新潟県築地村大字村松浜など4カ所)
この中で雨降りに関するものは第13位に入っている「雨が降ると良い、雨が降ると悪い」で、いいのと悪いのと、やっぱり両方あるみたいですよ。
またか。またです。また、夜のクモと同じノリですよ。
どっちかというと、関東地方は「雨が降るといい」と言われることが多く、近畿地方は「雨が降ると悪い」と言われることが多いみたいですが…。
織姫彦星に絡めているのは関東では1件、関西では4件もあるので、この調査では関西はどっちかというと中国から入ってきた七夕伝説の影響が大きいのかな? という印象です。
ともあれ、物事にはいい面も悪い面もあるってことで、細かいことは気にしないほうがいいみたいですね(汗)
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