夜のクモはどんな蜘蛛? 網を張るクモと張らないクモ

以前、「夜に見る蜘蛛」に関して記事にしたことがあります。ずいぶん前の記事なのですが、「夜の蜘蛛は縁起が悪い」、「夜の蜘蛛は親でも殺せ」といったキーワードでいまだにたくさんの人に来訪してもらっています。ありがとうございます♪

歴代のランキングを見てもちょくちょく上位に入っていることから、縁起がいいのか悪いのか、本当にみなさん「夜の蜘蛛」が気になっているんですね。

というわけで、せっかくなのでもう少しだけ蜘蛛に関して調べてみることにしました。

そもそも、「夜のクモ」ってどんなクモ? 蜘蛛の種類はたくさんある

蜘蛛のことを解説しているサイトによると、2003年現在で1250種類の記録があるそうです。
素人には大きいか小さいかくらいしか区別がつきませんが、ずいぶん種類がいるんですね。

蜘蛛の行動から分類すると、造網性か徘徊性かで大きく2種類に分かれます。生活様式から見るともう少し細かくなって、網を張るもの、地面を徘徊するもの、地中に暮らすものと3パターンに分かれるようです。

そして、造網性の蜘蛛と、徘徊性の蜘蛛を比べると、こんな感じでそれぞれ特徴がありました。

造網性の蜘蛛

昼間は鳥に狙われる危険があるので、大人しくしていることが多い夜行性。網を張るのは夕方だったり、夜だったりで、灯りに集まる虫を狙って準備する。中には、夜網をはって朝畳む律儀なものもいる。

徘徊背の蜘蛛

眼が発達しているので基本的に昼行性。昼夜構わず活動していることが多い。でも、徘徊するからといって糸を使わないわけではなく、歩くときに「引き糸」として見えないほど細い糸を引きながら歩いているのが普通(これは、造網性の蜘蛛が歩くときも同じことをするみたい)

その他にも、脱皮のときに使う「足場糸」として、住居を作る「住居糸」として、また、産卵のときに使う「卵のう糸」としても糸を使用する。

こうしてみると、どちらの蜘蛛も「夜の蜘蛛」、「朝の蜘蛛」として該当しそうです。どっちかに偏ってくれてるとわかりやすいんですけど(汗)

では、昔の人はどんなふうに蜘蛛を見ていたんでしょう。現在の研究家みたいに細かく区別していたんでしょうか?

古代中国に現れる蜘蛛は吉兆のしるし

蜘蛛の縁起は古代中国にまでさかのぼることができるようです。

中国詩人選集「詩経国風 下」では、「此の虫来たりて人衣に着けば、まさに親客の至る有りて喜びあるべきなり」といった解説が注釈にされているそうで、同じ蜘蛛でも唐の時代の中国ではポジティブな印象を持っていたもよう。

蜘蛛が壁にぶらさがっている様子を「壁銭」と呼んでいることから、種類としてはアシタカグモが該当するようです。

宮廷ではその夜の皇帝の寵が得られる吉兆としてお妃様が喜んだことから、「喜子」という別名が伝わっています。

一般でも、久しく離れていた子供が母親のもとに帰ってきたのを、「着物に蜘蛛がのっているのを見たからだ」と喜んだという説話があって、「喜母」という別名があったようです。

平安の歌に詠まれる蜘蛛はちょっとイメージが違う

中国と同じく、日本の宮中でも蜘蛛は大切な人の来訪を示す吉兆として見ていたようですが、蜘蛛の表現は微妙に変わってきます。有名なのがこの詩歌です。

我が夫子(せこ)が 来(く)べき夕(よい)なり ささがねの 蜘蛛の行ひ 今宵著(しる)しも

「ささがね」というのが不明語で、笹が根という枕言葉なのですが、細蟹(ささがに)のことで蜘蛛のことを表すとされていたり、笹の根もとにいる蜘蛛のことではないかとする説があったり、「ささがね」はタミル語では「細い網」の意味だという解釈があったりしてわけがわからないのですが(汗)

ともあれ、網を張っている蜘蛛のことを表しているようです。

中国では蜘蛛そのものを指していて人間の着物とセットになっていたりするのに対し、日本では蜘蛛と蜘蛛の巣がセットになっているんですね。

しかもこの歌をうたった人物は縁側から庭でも眺めているんでしょうか? 蜘蛛は建物の中に入ってさえいないような印象を受けます。中国ではアシタカグモを指していましたが、蜘蛛の種類も違ったものになりそうですね。

この点、民間に伝わる「夜のクモ」は、人が住んでるエリアに出没して蜘蛛そのものが問題になっています。古代中国の蜘蛛にイメージが近い気がします。ただ、それを吉兆と見るか、凶事と見るかが問題なのですが…。

だからどっちなんだって? それは管理人にもわかりません(汗)

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